時代に左右されないシンプルなデザイン。
年月を重ねてなお、色あせることのない
豊かなウォールナットの風合い。
出会ったその時からあなたの暮らしの中に
やさしく溶けこみ、
共に過ごすことで愛情がどんどん深まっていく。
そんな家具がここにあります。
100年後のアンティーク家具へ
「ウォールナットを極め、最高の家具を作る」
そう決めた時から私たちの旅が始まりました。
ウォールナットはチーク、マホガニーと並ぶ世界三大銘木のひとつ。濃い色目や木肌の美しさから「森の宝石」とも呼ばれる貴重な木材です。その世界は奥深く、私たちが追い求める家具にたどり着くまでには、多くの困難がありました。
※節のある天板
私たちの仕事では、家具をつくるための木材のことを「材(ざい)」と呼びます。私たちはまず、最高の材をウォールナットの一大産地である北米に求めました。北米で、特に高品質のウォールナットを規定する「FAS」という基準を満たす材を、輸入商社を通じて仕入れたのです。
ところが、壁が立ちはだかりました。何百、何千の材を仕入れても、私たちが目指す「本当に美しいウォールナットの家具」をつくるための材は、ほんの一握りにすぎなかったのです。
辺材である白太(しらた)やフシの部分が想定以上に多く混じっていました。材の質が安定せず「ショールームで見たものと違う」と、お客様から家具を返されてしまうこともありました。
「こうなったら、自分たちで探すしかない」
私たちは材を自力で探し出そうと考えました。ゼロからの出発です。まるで川をさかのぼるように、担当者が北米に飛び、製材所を一軒ずつ訪ね歩き、ウォールナットが育つ山に分け入りました。私たちが本当に欲しい材を、足と目を使って探し求めたのです。
平均気温が低く寒い地域は、暖かい地域に比べて木がゆっくりと時間をかけて育ち、ゆっくりと成長することで均等に目のつまった美しい木目になります。中でもイリノイ州、ミシガン州、ウィスコンシン州などアメリカ中西部のブラックウォールナットは深い色味と木目が美しく良質なものでした。
さらに、それらを継続的に仕入れるため、必要な材のレベルを明確に示す独自の基準を設けました。白太やフシの割合を、FASよりも厳しく規定する「カスタムグレード」です。
あまりにハイレベルな要求に、私たちとの取引をやめてしまう製材所もありました。それでも足しげく通ううち、確かな目を持った製材所に熱意が伝わり、材を安定的に仕入れられるようになりました。
アメリカ中西部の秋は気温が低く、秋でも-10℃になるほど。製材所近郊は都心部から離れており、宿泊のモーテルを探すだけでも一苦労。
2週間の滞在期間中は、製材所を求めて1日8時間以上を車で走るハイウェイの旅が続きます。
走る距離は1日700~800km。岡山の本社工場から東京までを、毎日車で移動しているイメージです。(※滞在期間中の走行距離は沖縄~北海道間以上になることも)
製材所から製材所への移動には何時間もかかりますが、製材所に到着後「材の見極め」となると疲れを忘れ、息が詰まるほど真剣に材を見極めていきます。
私達が探している製材所のポイントは、大手じゃない製材所。変にこなれていなくて、現地では「知る人ぞ知る」製材所を探します。ガイドが同行して通訳はしてくれますが、現地でグレーダーマン(※1)に、マスターウォールが求めている材について身振り手振りで伝えています。
「想いが強いと英語が完璧に話せなくても伝わります」
目を見て話せば、私たちのものづくりへの熱意や求めていることが自然と伝わるようになります。
「あそこには行けば、いいグレードのウォールナットがある」
など、現地での情報交換も大切になります。
※1原木の目利きし木材のグレードを選定している職業
私たちはきょうも、よりよい材を探して、北米を走り回っています。
そこには、ウォールナットのマスター(達人)としての誇りがあります。
単に「ウォールナットを使った家具」を作るのではない。ウォールナットという材を知り尽くし、極限まで特性と美しさを引き出し、生かし切る家具を作りたい。そして何より、私たちの家具でお客様に豊かな暮らしをお届けし、幸せを感じてもらいたい―。
それが私たち「マスターウォール」の想いです。
白太
外周部の白い部分。
成長のために新陳代謝が起こる部分なので、色が白く、水分や養分が多く含まれる。
赤身
チョコレートブラウン、赤紫など、色合いが多彩な濃色の部分。白太に比べて耐朽性が高い。
マスターウォールの家具は、主にこの赤身部分を使用し、その中でも特に木目の美しい部分を惜しみなく使っています。
「マスターグレード」は、お客様に一目で「木目が綺麗、美しい」と感じてもらえるクオリティを追い求めて生まれました。
「反りがなく目に見える範囲で白太や節が入っていない」希少な素材をマスターグレードとして定めています。
表裏両面ともクリアな材木は全体の10%しかありません。
マスターウォールが使用している世界最高素材「マスターグレード」は、年々手に入らくなくなっている本当に希少な素材です。ただただ「美しい木目」を実現するために、アメリカまで素材と原木の見極め、買い付けに行っている家具メーカーは国内ではマスターウォールだけです。